このアプリをiOSにも同じように展開したのがちょっと気になった。ユーザーの利便性からするとiOSで使えると嬉しいのは当然なんだけど、TVアプリについてtvOSとiOSは共食い関係にならないと考えてるのか。
そうだとすれば、そろそろ4K以上のディスプレイに接続できるApple TVが登場するという前触れなのかな、と思った。今のところiOSはLightningケーブルでも、AirPlayでもそのままでは4K出力できないようにしてあるから、Apple TVで出力品質の差別化をすれば存在価値が出てくる。
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話はそれるけど、WindowsのARMネイティブ化を踏まえると、そろそろMac miniもARMでもいいんじゃないのかな。「Mac」というよりは、家庭内サーバーとしてのMac miniの役割をtvOSに引き取らせてもいいのでは、ということ。すでにHomeKitとかはその流れと思うけど、常時家庭内で動いてて欲しいものは全部tvOSに引き取らせたらいい気がする。
そのためには是非ともtvOSのインプットデバイスサポートを強化して欲しい。そうすればtvOSのアプリがもっと面白くなるはずだ。あんまりのんびりしてるとこの領域にAmazonやRhapsody Pi系の安いソリューションがポンと出てきて大きな領域をとることになるかもね。
他社製品との差別化、iOSとの差別化のためにも、tvOSにもう少し大きな役割を与えておいたほうが良いと思うな。
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家庭内で複数の人がApple TVを共有して使うことを考えると、ユーザー切り替えを簡便にする仕組みが絶対に必要だと思う。新しいMBPみたいにリモコンにTouch ID入れて指紋でアカウントを切り替えるのはいいかもね。iPhoneからのリモコンでも同じようにできるし。
誰かがゲーム中に席を立って、その間に他の人が前に見ていたビデオの続きを見たい、なんてシチュエーションはしょっちゅうあるはず。Macほどの大きなユーザーリソースやコンテキストがないとしても、ユーザースイッチはtvOSでもうまく表現してやるべきだ。
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AmazonのEchoみたいなものを目指すのか否か。
HomeKitをApple TVに取り込んだ以上、常時起動の音声検出はやってもおかしくない。家の中でiPhoneを持ってない時に、「ライトをつけて」というのは典型的なユースケースだろう。しかし機能性が高まるにつれ常時検出では、上で触れたユーザーコンテキストの問題や、場合によってはセキュリティ面でややこしいことになる可能性があるのではないだろうか。
AppleがSiriリモートにSiriボタンをつける前に、きっとApple TV本体にマイクをつけて常時検出する対案も検討したはず。しかしそうしなかったのは、単に技術的問題なのかもしれないが、「リモコンを持つ」という行為が操作権限を象徴する重要な行為として考えたからじゃないかなー、と思う。
Apple TV本体には常時検出用マイクをつけず、今まで通りSiriリモコンのSiriボタンによる発動が基本で、唯一iOSからのHey Siriでの手ぶら操作だけは受け付ける、あたりが当面の落としどころになるんじゃないかなー。